鬱蒼とした森に分け入るごとき瑞泉寺の参道
−鎌倉市内に点在する鎌倉三十三観音札所を紹介しています−【 札所1〜7番 】
◆1番・杉本寺と「大蔵山」の扁額。県道204号金沢街道沿いの二階堂地区にある。入口の上り参道の両側には「十一面杉本観音」ののぼり旗がびっしり立ててある。階段を上りきると本堂の周囲にも同じようにのぼり旗がひらめく。
◆寺は鎌倉24地蔵の4番と6番の札所を兼務する。ここから東に進むと10番の報国寺や9番の浄妙寺も近いが、歩道はせまい。道沿いには滑川が流れている。
◆宝戒寺は、鶴岡八幡宮を右折した先の正面に見える。入口前には八角形の大きな敷石【写真右】が並んでいる。
◆その先にある本堂には、柔らかな灯りの提灯が並んで吊るされており【写真上】、その灯りに誘われるようにまずは参拝へと足が向く。
◆標石には「天台宗圓頓宝戒寺」とあるが、圓頓とは、天台宗でよく読まれる経典の圓頓章からきている。寺は、鎌倉24地蔵1番を兼ねる。
◆かつては長楽寺と号していたが、北条政子の法名であった安養院を寺名としたとある。境内にはエビネ・ツツジや山シャクナゲ【写真下】などもあり、秋はススキもきれいで、季節を変えて訪れるのも楽しみ。寺は、坂東33観音3番の札所でもある。すぐ西隣りは13番の別願寺である。
◆まずは山門に下がっている長谷寺と書かれた赤い大きな提灯が目に入る。庭内は菖蒲やアジサイなどいろいろな花々があり、秋には池に写る紅葉がきれいである。
◆本尊・長谷観音は、高さ9m余りもある十一面観音立像である。本堂は庭内より高台にあって見晴台からの眺めが良い。
◆また当寺は、坂東33観音4番を兼務する。
◆鶴岡八幡宮前を東に進み、突き当たりに2番の宝戒寺がある。そこを左折し西御門への道に入り、民家がある地域を散策しながら進むと右手に寺の案内板があり、先の石段を上がると来迎寺で、フヨウの花が出迎えてくれる。
◆入口で拝観料を払い中を進み、時代とともに磨り減った石段を上り始めると、湿気が一気にまとわり付く。昼でもヒヤッとして薄暗い参道の石段をさらに上がって行くと、山門【写真右】にたどり着く。山門には「瑞泉蘭若」と書かれた緑色の扁額があり、くぐると境内いっぱいに咲き乱れる白フヨウに囲まれながら迷路のように散策していると本堂に着く。
◆瑞泉寺は、東国花の寺百ヶ寺93番や鎌倉24地蔵7番の寺である。
◆時宗の光觸寺は、鎌倉観音札所の最も東に位置し、2番・宝戒寺前から続く金沢街道沿いの一番東側の寺となる。
◆十二社のバス停から細い道に入り、滑川に架かる光觸寺橋【写真右】を過ぎると山門が見えて来る。境内にはやや前かがみになりお経を唱える一編上人像がある。寺は鎌倉24地蔵5番の札所を兼ねる。
◆また、寺の頬焼阿弥陀像は重要文化財になっている。